醗酵Q&A

Q1.醗酵ってなに?腐敗とどう違うの?

ひと言で表すなら、食べられるのが『醗酵』で、そうでないのは『腐敗』です。

どちらも微生物が食品の成分を分解した結果です。

醗酵は乳酸菌や酵母菌などの微生物により糖類が分解され、旨みを出したり保存性を高めたり、人に有益に作用することです。

それに対し腐敗は、タンパク質が分解されることで硫化水素やアンモニヤが発生し、人体に有害に働くことを指します。

また微生物によらず、食品そのものに含まれる成分によって醗酵する場合もあります。

お茶の葉を揉むことで茶葉に含まれる酸化酵素を活発化させ、タンニンなどの成分が完全に醗酵したものが紅茶です。

同じ茶葉で醗酵を抑えたものがウーロン茶、全く醗酵させずにできるのが日本茶です。

Q2.乳酸菌ってなに?

乳酸をはじめとする酸をつくりだす細菌の総称です。

乳酸菌が糖を分解して乳酸ができ、それによって食品のpHが酸性側に偏ることで腐敗や食中毒の原因になるような微生物の繁殖を抑えます。

保存食に醗酵させたものが多いのはこの為です。

体内においては、腸内で悪玉菌が苦手とする酸性の環境を作り、善玉菌を増やーたり免疫力を向上させる働きがあります。

乳酸菌は動物の皮膚や植物の表面、空気中などいたる所に存在し、同じ材料で漬物を作っても手などに着いた常在菌によって味が変わるともいわれます。

Q3.藍染ってなに?発酵とどう関係あるの?

藍染には『生葉染』と『建て染』の2種類があります。

藍の葉は乾燥すると成分が変化し、一般的な草木染の様にそのまま煮出してもうまく染めることができません。

その為、生葉染には採ったばかりの新鮮な葉が必要です。

また葉の成分を繊維に吸着させる為にはそれぞれの帯びている電気も関係しており、生葉のままだと動物性の繊維(絹やウールなど)にしかくっつきません。

しかし、昔の人はあの美しい青色と高い薬効性をどうにか広く活用したいと思ったのでしょう。

発酵させることでいつでも、そして生活により身近な植物性の繊維にも染められるように工夫したのが建て染です。

そもそも緑色の藍の葉がなぜあのように美しい青色に染まるのでしょう?

藍の葉にはインジカンとゆう無色の成分が含まれています。

それが酸素と結びつくとインジゴ(インディゴ)とゆう成分に変化し(酸化)、それが青を発色するのです。

しかし、一般的に染め物はまず染料を水に溶かし、それを繊維に染み込ませて色をつけますが、インジゴは水に溶けないのでそのままでは染料になりません。

ところがおもしろいことに、発酵すると水溶性に変化する特性を持っています。

葉が水と合わさり発酵(腐敗)し、水溶性に変化したインジゴは酸素を失い、水素に結びつきます(酸化の反対→還元と言う)。

還元したインジゴが溶けだした液体を繊維に染み込ませ、空気に触れると再び酸化し青色に染まるのが建て染の仕組みです。

水溶性に変化したことで綿や麻なども染められるようになります。

世界には「すくも法」や「沈殿法」などそれぞれの地域に適した伝統的な発酵方法があります。

日本ではすくも(乾燥した藍の葉を発酵させたもの)を、菌がより活性化するアルカリ性の液に合わせてさらに発酵を進めた「灰汁醗酵建て」とゆう技法で作られた染液がよく知られています。


醗酵おススメ本

スペクテイターが醗酵を掘り下げるとこうなるのか〜

腐る経済の著者が営むパン屋「タルマーリー」、逗子の「ヨロッコビール」、安定の「寺田本家」

醗酵な生き方や細菌たちが繰り広げる醗酵の世界が広がる。

醗酵レシピなんかも載っていて、そちら側へ一歩踏み込んでしまう要素満載なのです。

「菌」の存在を肉眼で視認できるという不思議な能力をもつ主人公・沢木惣右衛門直保をめぐる学園ドラマ

「醗酵」や「農業」を知らない人にはなるほどと思う雑学が多いのでおススメです。

醗酵おススメ記事

キーワードは”豪族2.0″! これからは一旗あげるために地方へ行く。発酵デザイナー・小倉ヒラクさんが考える、今とこれからの日本のカタチ | greenz.jp

発酵デザイナー・小倉ヒラクさん 目に見えないものを、信じるか、信じないか。 よく話題にのぼるテーマです。でもじつは、信じる信じないという以前に、見えないものによって刻々と具象が変化するさまを、私たちは日々、目の当たりにしています。その最たるものが“発酵”ではないでしょうか。 味噌、醤油、お酒、お酢、みりん、納豆、キムチ、チーズ…。目に見えない微生物(発酵菌)の働きによってつくられた発酵食品は、私たちの身の回りに溢れています。 そんな発酵の世界に魅了されてしまったのが、今回お話を伺った小倉ヒラクさんです。菌のことがあんまり好きになりすぎて、2104年に肩書きを普通のデザイナーから「発酵デザイナー」に変え、東京農業大学の醸造学科の研究生にまでなってしまったという、日本で唯一の発酵デザイナーです。   唄って踊ってこうじの魅力を伝える「こうじのうた」。こうじにまつわるさまざまな人が参加した「こうじのうたプロジェクト」から生まれました。 ヒラクさんによれば、発酵デザイナーの定義は“目に見えない発酵菌たちのはたらきを、デザインを通して見えるようにすること”。 それは図らずも、発酵というフィルターを通して社会をより良くするという、ソーシャルデザインとしての側面ももっていました。 決まったフレームの中で考えていた事象を微生物視点から見ると、面白い見方ができるんですよ。それを研究していくのが僕の役割のひとつだと思っています。 そこで、発酵デザイナーとして活動する中で見えてきた「これからの日本のカタチ」について、じっくりお話していただきました! 日本社会はいったいどこへ向かうのか。 一見、大仰なこのテーマがなぜだかそれほど大仰ではないような気がしてくる、小倉ヒラクさんのニホン未来予想図。まずはヒラクさんの現在を紐解くところから見ていきましょう。 発酵に触れて、熱い社会と冷たい社会のバランスを取る 僕は学生の頃から生物学と文化人類学を学んできました。生命の原理は何かっていうことと、どうして世の中にはこんなに多様な文化があって多様な人間がいるのかっていうことがずっと気になっているんです。その抽象的なテーマが行き着くところが、僕の中では発酵だったんですね。 発酵を知ると微生物のことがわかり、微生物のことがわかると生命の根本原理が理解できます。生物学的な欲求

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